対話で創るこれからの「大学」2019年度シリーズ第2回「異なる文化のあいだに立つ」を開催しました

ナレッジキャピタル超学校 大阪大学COデザインセンター×ナレッジキャピタル:対話で創るこれからの「大学」、2019年度は”向き合い続ける”をテーマにしています。

社会の中に新しい価値をつくり出している実践者と大阪大学の教員の対談を3回開催します。その第2回目を、2019年8月5日(月)に開催しました。42人のみなさまにご参加いただきました。

今回対談をしたのは、山田小百合さん(NPO法人Collable代表)と、辻田俊哉さん(大阪大学COデザインセンター 講師)です。

まずはお二人それぞれに自己紹介をお願いしました。

山田さんは、CollableというNPO法人を立ち上げ、障害の有無を超えて一緒に学ぶ、そして、一緒に新しい価値をつくりだすという事業を行っていらっしゃいます。このCollableの活動は、山田さんが修士課程の時に取り組んだ「インクルーシブデザイン」や障害のある子もない子もともに参加するワークショップの実践研究が活かされているそうです。こういった山田さんの活動の原点は知的障害と自閉症を併せ持つ兄と弟と一緒に育ったこと、そして、障害のある人は支援するものという社会通念への違和感をもつようになったこと。今は、まちづくりや商品開発などにも活動の幅を広げているそうです。

辻田さんは国際関係論が専門の研究者です。その辻田さんが、今COデザインセンターで担当をしているのは、社会課題をどう解決できるかを考えるソーシャルイノベーションに関する教育プログラムです。この自己紹介の時間では、エルサレムに留学していた時、紛争が身近なところで起こるという経験をしたこと。さらには、外務省の専門調査員という立場でイスラエルにある日本国大使館で働いていた時にも、紛争が始まってしまったこと。この時期に、利害関係者が多い中で課題を解決するという「やっかいな問題」にどうアプローチしていくかということを考えるようになったこと。などなど、国際関係論とソーシャルイノベーションがどのように辻田さんの中でつながるようになったのかを伺いました。

続く対談では、さまざまな立場の人が集まるワークショップならではのおもしろさ、苦労する点や失敗談などが語られました。立場の違う人たちが集まって、その「違い」をうまく話し合いにいかし、そして、新しい価値を見出すような場をつくりあげるためには、丁寧な事前のコーディネーションが欠かせないそうです。山田さんはそのコーディネーションがあまりに多岐にわたり、持久戦である様子を「総合格闘技」と表現されていたりもしました。

参加者のみなさんが記入してくださったアンケート用紙を眺めていると、「インクルーシブデザインに興味があった」「互いに理解が難しい場合のヒントが欲しかった」「多様な人びととどのように共生していくのか興味があった」という方々がいらっしゃいました。

また、会場からは、「ワークショップで得られた「新しい価値」の具体的な事例について教えて欲しい」という質問や「大学やNPOとして研究・活動を進めることで得られる経験や成果をぜひ地域にも還元してほしい」といったコメントも寄せられました。

https://www.cscd.osaka-u.ac.jp/co/2019/000740.phpより転載)

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