2017年10月3日(火)、千里公民館において、サイエンスカフェを開催しました。参加者は、千里公民館の近くにお住まいの方など11人(大阪大学や豊中市の関係者を除く)でした。
前回と今回は、共通テーマ「ミライをつくる情報技術」の元で開催しました。「新しいテクノロジーのルールをつくる:安全と安心はどう確保されているのか」は、前回みなさんが出してくださった意見なども踏まえつつ、岸本充生教授(大阪大学データビリティフロンティア機構)がお話をしました。
そもそも、私たちが日々使っているモノやサービスもそれが初めて世に出た時には、どれも「新しいテクノロジー」でした。シャープペンシルだって、腕時計だって、ATMだって。そして、どのモノやサービスも、既存の社会のルールとはうまく合わない部分があったはず。そんな昔の新技術について思いを馳せるところからスタートしました。
例えば、電子レンジ。電子レンジが出始めた頃の新聞の見出しには「殺人光線の平和利用」などと書かれていたりしたそうです。また、取っ手をつかんで感電死する事故がおきて販売中止になったこともあったようです。他には、エレベーターも。エレベーターが導入された始めた頃は、エレベーターを操作できる人は資格をもった限られた人(エレベーターガールという職業があったりしました)だけ。自動運転が始まった時には、操作盤の前でどうしてよいか分からなくなる人が続出し、「利用上の心得」という新聞記事が掲載されたほか、様々な予期せぬ“事件”が起こったそうです。
参加者みなさんには、「これまで生きてきた中で出会った『新しいテクノロジー』には、どんなものがありました?」という問いを一緒に考えていただきました。思いつく限り付箋に書き出して、壁に貼っていきます。
これから出てくる「新しいテクノロジー」との上手な付き合い方を考える上でも、これまで社会が経験したことを整理することは大切そうです。
サイエンスカフェ終了後、アンケートにはこんな言葉が書かれていました。
「今日は夫から、おもしろそうだよと声かけがあり来ました。楽しかったので、また参加したいと思います。」
ぜひまたお越しください!
「過去の技術が世に出たときの問題点を振り返るという試みは印象的であった。」
面白かったですね。紹介された事例だけではなくて、他の昔の「新しいテクノロジー」のエピソードも調べてみたくなりますよね。
「画一的なルール化を試みるの際には、多くの市民間、そして多面的な専門分野の人々を巻き込んでの議論が必要と思いました。」
そうですね。顔認証技術をどこまで使ってもいいと思うか(プライバシーにどこまで踏み込んでいいのか、一度の間違いをどこまで許容するのか、など)という議論も、今回のサイエンスカフェで話題になりました。